ふと思い立って、英国の作曲家・指揮者オリヴァー・ナッセン(1952-2018)の交響曲第3番(1973/79)を随分久しぶりに聴いてみた。このCDは今から30年以上前に購ったものだが、当時もその後も長らくさほど面白いとは思わなかったものである。
が、今聴いてみると、これがなかなかに面白い(https://www.youtube.com/watch?v=gnol0WRWt6A)。ナッセンは1952年生まれだから、この交響曲の初稿は21歳のときに書かれたわけだ。同世代の他国の作曲家のことを思えば彼の作風はかなり保守的だが、内容はなかなか充実している。ブリトゥンからアデスらへと連綿と続く「英国秀才作曲家」の系譜にこのナッセンも連なるわけだが、彼らの作品はとにかくよい意味で手堅く、聴き手を(そして、おそらく演奏家も)きっちり満足させてくれる。
と、ここで思い出すのが、以前、ナッセンのヴァイオリン協奏曲(だったはずだが……)を本人の指揮で聴いたときのこと。とにかくどうしようもなく退屈だったが、もしかしたら今聴けばまた違ったふうに感じるかもしれない。
このナッセンに限らず、かつてはつまらなく感じた音楽でも今ならば面白く聴けるものはいろいろあるだろうし、その逆のこともあろう。そして、そのこと自体を面白く感じずにはいられない。
明日は法貴彩子さんのフェルドマンを聴きにいくことに。大いに楽しみである。感想はまた後日。