2022年9月16日金曜日

大いに期待せずにはいられない

  これまでに数々の興味深い演奏会の場を提供してきた大阪のザ・フェニックスホールの「エヴォリューション・シリーズ」だが、来年の2月にも次のようなものが:https://phoenixhall.jp/performance/2023/02/07/16203/。これは聴き逃すわけにはいかない。リストのソナタとブゥレーズの第2ソナタを並べて取り上げるとは……。

 もちろん、こうしたことは誰がやってもさまになるわけではない。その点、演奏者の法貴彩子さんはそれをこなすだけの実力を持ったピアニストであり、大いに期待せずにはいられない。

 実のところブゥレーズの第2ソナタがそれほどよい作品だとは私は思わないのだが(その理由については以前述べた[*リンクの誤りを訂正しました]:https://kenmusica.blogspot.com/2020/05/2.html)、刺激的なパフォーマンスの土台にはなりうると考えている。そして、法貴さんならばきっとそれをやってくれるはずだ。とにかく、当日が楽しみである。

 

 直近で次のような演奏会もあるようだ: https://www.youtube.com/watch?v=Mh2EXLuVju8。これもまた何とも魅力的な企画である。このモートン・フェルドマン(1926-87)の《バニータ・マーカスのために》(1985)は1曲1時間超の演奏時間の中で劇的なことはほとんど起こらないにも拘わらず、聴き手の耳を引きつけて放さない作品だ(同じ作曲者の《3和音の記憶》(1981)よりも私はこちらを好む)。法貴さんは昨年はケージの《ソナタと間奏曲》を演奏したとか。知っていれば絶対に聴きにいったのに。残念。