今日、今年初めて演奏会に出かけてきた。いずみシンフォニエッタ大阪の第55回定期演奏会(指揮:飯森範親)がそれだ。今回から音楽監督が交替し、新たな展開が期待されるところだったが、まさにそれに十分応える内容だった(https://www.izumihall.jp/schedule/20260211)。
多種多様な演目は次の通り:
P.オリヴェロス:The Well and The Gentle
川島素晴:ピチェクラリン讃歌
西村 朗:オルゴン 室内オーケストラのための
M.フェルドマン:マダム・プレスは先週90歳で亡くなった
【公募作品】渡邉翔太:朧げな風景の中でⅠ(世界初演)
藤倉 大:箏協奏曲(独奏:片岡リサ)
いずれもしかるべき水準の作品であり、まことによく考えられたプログラムだ。もちろん、個々の作品に対しては私個人の好き嫌いはある。が、それはそれ。演奏会全体としてはすぐれたものだったと思う。
では、以下、曲順に簡単に感想を述べていこう。最初のオリヴェロス作品は初めて聴いたが、なかなかに興味深かった(これまで彼女の音楽にはさほど関心がなく、数曲しか知らなかったが、他にももっと知りたいと思った)。全体は大きく二分されるが、その前半の音のありようはいわば遠心的、そして、後半は逆に求心的で、それぞれの部分が、そしてまた両者の違いが面白い。
続く川島作品と西村作品については、自分の好みではないので具体的な感想は控えておこう。いずれもよくできた作品だと思うし、それを好む人がいても当然であろう。が、私の心には響かなかったのである(その理由を説明することはできるが、そんなことをここでしても意味があるまい)。残念。
後半最初のフェルドマン作品は今日の私のお目当ての1つだった。そして、その期待は満たされた。先のオリヴェロス作品の前半部分と対照的に、このフェルドマン作品は極度に求心的であり、聴き手に大きな集中力を要求する。が、そこで繰り広げられている音の世界は何とも不思議な美に満ちている。いずれ、もう少し長め(ただし、1時間以内)のフェルドマン作品も取り上げて欲しいところだ。
続く【公募作品】が私のもう1つのお目当てであり、こちらも楽しく聴かせてもらった。作品の内容は「朧げな風景の中で」という作品名そのままで、何とも清々しい音の風景が現出させられていた。「Ⅰ」と銘打たれているということは、これに続く作品がすでに書かれているか構想されているのだろうか。少しばかり気になるところではある。ただ、今回の「風景」はまことに静的なものであり、その「中で」はほとんど何も起こっていない。そこが魅力であったとは言えるのだが、「Ⅱ」以降ではそれとは些か異なる趣向のものであって欲しいと(私個人は)思う。
さて、最後は藤倉作品。音楽のありようは熟練の職人芸の産物であり、とりわけ箏に対する管弦楽の扱いは見事としかいいようがない。が、この作品に対しても私の心は反応してくれなかった。作品が悪いのではない。私との相性が合わなかっただけである。残念。
以上、勝手なことを述べたが、演奏会全体としては大いに楽しませてもらったし、新音楽監督がこれから打ち出す企画への期待もふくらんだ。今のようにいろいろなことが困難になりつつある中で、こうした演奏会シリーズが続けられていることは本当にありがたい(し、そう思っているのは私だけではあるまい)。というわけで、関係者の方々に心から御礼を申し上げたい。
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