2022年10月2日日曜日

中丸美繪『鍵盤の天皇――井口基成とその血族』を読み始める

数日前、井口基成(1908-83)の評伝が出ていたことを遅ればせながら知った。中丸美繪『鍵盤の天皇――井口基成とその血族』(中央公論新社、2022年)がそれだ(https://www.amazon.co.jp/%E9%8D%B5%E7%9B%A4%E3%81%AE%E5%A4%A9%E7%9A%87-%E4%BA%95%E5%8F%A3%E5%9F%BA%E6%88%90%E3%81%A8%E3%81%9D%E3%81%AE%E8%A1%80%E6%97%8F-%E5%8D%98%E8%A1%8C%E6%9C%AC-%E4%B8%AD%E4%B8%B8-%E7%BE%8E%E7%B9%AA/dp/4120055051)。著者はこれまでにも齋藤秀雄や朝比奈隆などの評伝をものしており、いずれもまことに読み応えがある。そこでさっそく注文し、今日届いたので読み始めた。すると、やはり期待に違わぬ面白さである。続きを読むのが楽しみだ。

その井口や斎藤と同世代で、やはり日本の西洋芸術音楽受容で重要な役割を果たしたのが作曲家の池内友次郎(1906-91)だが、この人の評伝も誰か手がけてくれないものだろうか。他の2人に比べれば一般の認知度は低いかもしれないが、だからこそ逆に普通の読者に知らしめる価値があるだろうし、読み物として十分に面白いものになるだけの生涯を送った人だと思う(なお、私も池内についてはいずれ何かを書いてみたいとは考えてはいるものの、論じたいのはあくまでもその「業績」、とりわけ教育活動とその評価についてである。が、これは今のところ構想に留まっている)。