2022年5月26日木曜日

ライヴで耳栓!?

 昔、ある機会に一度だけイーグルスのライヴを聴きにいったことがある。少年時代から〈ホテル・カリフォルニア〉その他の名曲には親しんでいたので、なんとなくその気になったのである。そして、それでよかった。まことに楽しいライヴだったから。が、ライヴの「爆音」には驚愕した。

もっとも、これは私の無知のしからしむるところだったのである。人に聞くと、大きなホールやドーム会場でのポピュラー音楽のライヴではそれが普通だというではないか。なるほどそういうものかと納得しつつも、私は以後、自分の耳の健康を慮ってそうした場には行かないことにした。その手の音楽自体に興味はあるし、実演を楽しみたいと思ってはいても、耳が音量に耐えられないのだから仕方がない。残念至極。大きな音に耐性のある人がうらやましい。

 ……とずっと思っていたが、先日、あるものが売られているのを目にし、さらに驚いた(これもまた、己の無知のゆえに……)。それは爆音ライヴで耳を保護するための耳栓である。そこでインターネットで検索してみると、次のような記事が見つかった:https://my-best.com/12845。それを読み、爆音に悩まされたのが自分だけではないと知って何かしら安心するとともに、些か不思議な思いも抱いた。耳栓をして音楽を聴く!? とはいえ、ライヴの臨場感を味わい、楽しみつつ、耳も守るにはこれしかないのであろう。妙案だというべきであろうか。

ところで、ライヴが「爆音」によるものとなったのはいったいいつ頃からなのだろうか。また、それは今後も変わらないのだろうか。こうしたパフォーマンスの形態が持つ意味と意義は十分面白い研究主題だと思うが、どうだろうか(それに取り組む時間も気力も私にはないが……)。

さらにいえば、「爆音」に限らず、種々の音楽のありようを各々で理想的だとされる「音量」(当然、そこにはパフォーマンスの形態と場、そして、その音楽に関わる人たちの意識や価値観などが絡んでいる)観点から通時・共時の両面で比較・考察したらいっそう面白かろう。