連日酷暑が続くが、こうなると音楽などどうでもよい……とはならない。暑いからこそ聴きたくなるものもあるからだ。
ここ数日の気分はアイヴズ。彼の音楽にしばしば現れる混沌はなかなかの清涼剤なのだ。今日も第4交響曲と《コンコード・ソナタ》を聴いたがまことに気分爽快である。昨今の息苦しい世情にあって(日々のニューズに登場するこの国の政治家たちの何と人相の悪いことか)、アイヴズの何ものにも囚われない自由で大らかな音楽には本当に励まされる。
彼の作品では同じ素材(それは自作のこともあれば、既存の曲のこともある)が複数の作品に現れる。たとえば、今日聴いた2つの作品にもそうした素材がいくつもあり、中にはさらに別の作品で用いられているものもある。もしかしたら、そうした素材はアイヴズにとって、何らかの理想・理念を体現しているものなのかもしれない。もちろん、聴き手には本当のところはわからないのだが、それでもそうしたものを聴くと私はなぜだか嬉しくなってしまう(たとえば、第4交響曲第2楽章の一節・次の動画で15’ 26”からのところ:https://www.youtube.com/watch?v=cCFiwmIi9Gw。これは《コンコード・ソナタ》の第2楽章、《ニュー・イングランドの3つの場所》第2曲、《カントリー・バンド行進曲》などにも登場する)。