今観ているドラマ『VIVANT』はなかなか面白い(https://www.tbs.co.jp/VIVANT_tbs/)。が、第2話を見ていて「おや?」と思った箇所が1つあった。それは前回に登場人物の1人が言った「ヴィヴァン」という語が’vivant’(仏語の動詞vivreの現在分詞形)のことではなく、実は’beppan’(別班)のことだった、と推論するくだりだ(「あらすじ」は次を参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/VIVANT)。引っかかったのは、「vi」に聞こえていたものが実は「be」だったかもしれない、という点である。eについては確かにその可能性はあるが、vとbを聞き違えるということはまずなかろう。両者は発音が根本的に異なるからだ(前者は摩擦音、後者は破裂音――で、pはその無声音――)。
なるほど、スペイン語のような言語ならばvとbという綴りは同じ音である。が、ドラマでそのとき舞台となっていた架空の国「バルカ共和国」で話されていた言語はモンゴル語だとのことで、調べてみると、やはりvとbの発音の別はある(vはwの音になるようだが)。そして、件の推論をした登場人物がその「モンゴル語」を流暢に話していることからすれば、当然、2つの音を発音仕分け、聞き分けることができているはずだ(さもなくば、コミュニケーションに支障を来さないわけにはいかない)。
これはごくごく些細な点かもしれないが、物語の展開に関わりそうなことだけに、些か残念に思う。が、vivantという語はドラマの題名だけに、それに関わる謎解きがこれからなされることになるのだろうか。ともあれ、今後の展開が楽しみである。
追記: ドラマを最終回まで観た。期待以上のできであり、毎週の放映が楽しみだった。が、それはそれとして気になる点も。最終回で日本の美点を登場人物が説いていたが、これはいくら何でも手前味噌すぎる。もし、日本が本当にそのような国ならば、現在の悲惨な状況はありえないはずなのに。そして、そんな日本で「国の大義」などと言われても……。