ジョン・ケージの音楽を聴く晴れやかな気分になる。今日も《プリペアード・ピアノと室内管弦楽のための協奏曲》(1950-51)(https://www.youtube.com/watch?v=ms70jqdZHzs)を聴いてみたところ、日々のもやもやが見事に取り払われた(精確に言えば、落ち着きを取り戻した)。
こうした効果は他の音楽ではなかなか得られない。つまり、意気消沈しているときに「ハイな気分」にしてくれたり、寄り添ってくれたりするような音楽はいろいろある(それは薬と同じようなもので、最終的にいつもよい結果をもたらすとは限らない)が、ケージの音楽はそうしたものとは一線を画する。
彼の音楽を聴いても興奮させられることはないし、深い感動を味わうこともない。相互の関連を聴き取ることのできない1つ1つの音、音の出来事に向き合ううちに、心はむしろ醒めてくるのだ。そして、そのときもやもやは雲散霧消している。
「もやもや」のある方は、上記のものに限らず、ケージの音楽を是非お試しあれ。