上の譜面はJ. S. バッハの 《平均律クラヴィーア曲集第1巻》のフーガ第24番。声部毎に色を変えた(全声部共通の黄色はタイで繋がれた(つまり、打鍵し直さない)音)。こうすると声部進行は一目瞭然。
下の譜面はスクリャービンの第9ソナタ。赤はフラット(ここでは用いていないが紫はダブル・シャープ)、緑はシャープ、水色はダブル・シャープ、黄色は上の例に同じ。機能調性に収まらない曲や臨時記号のやたらに多い曲はこうすると格段に読みやすくなる。
「塗り絵」と侮るなかれ。この作業をするには注意深く楽譜を読まねばならず、写経(写譜)に準ずる効果がある。とりわけバッハについては、ポリフォニーが苦手な学習者にこれをやらせてみるとよいのではなかろうか。
なお、彩色に用いたのは三菱鉛筆の「ポスカ(極細)」。これはスグレモノだ。
追記:何としたことか、ポスカで塗った色はそれほど時を経ずして褪せてしまうことが判明した。これは困る。そこで透明の合成樹脂塗料を上塗りしてみた。これで事態が改善されればよいのだが……。