2025年11月12日水曜日

ブーレーズへのオマージュ

  先週土曜に「ブーレーズへのオマージュ」(於:京都コンサートホール)を聴いてきたが、とても充実した演奏会だった(詳細は次を参照:https://www.kyotoconcerthall.org/boulez2025/)。

 演目は次の通り:

 

ブーレーズ:12のノタシオン、ドメーヌ、フルートとピアノのためのソナチネ

ラヴェル:夜のガスパール

シェーンベルク(ウェーベルン編):室内交響曲 1

 

前半がブゥレーズ作品、後半が彼に影響を与え、かつ、好んで指揮した作曲家の作品で、作曲家ブゥレーズの核となるものがわかる、とてもよい選曲である。

 演奏もすばらしかった。その中心となったのがピアニストの永野英樹。独奏やデュオでも何とも鮮烈な音楽を聴かせてくれたが、とりわけ深い感銘を受けたのがシェーンベルク作品での演奏だ。これは元々15人奏者のための作品をピアノ五重奏に編曲したものなのだが、その中でピアノが担う役割の大きさと重さは半端ではなく、それをきっちりこなしつつ、他の奏者を引っ張っていくさまはまさに「聴き物」だった。もっとこの人のピアノを聴いてみたいものである(なお、他の演奏者もそれぞれに見事だった)。