2026年10月8日木曜日

危機は好機?

  現在のAIならば、「○○風の曲」をかなりの精度で書くことができよう(「○○」は作曲家名)。商業音楽ならば用途によっては実用に耐えるものができるようになってきている。

 すると、芸術音楽においても、早晩、同じようになるかもしれない(もしかしたら、すでにそれだけの作品を産み出してるのかもしれない)。となると、「人間」の作曲家には生き残りの術はあるのか?

 可能性として1つ考えられるのが、20世紀に生じた「作曲と演奏の分業化」を廃して、19世紀までのように「作曲家本人が自分の作品を演奏する」というかたちに戻すという手である。本人が自分の作品を奏でることまではAIが取って代わることはできないからだ。

 そして、もし、そのように「作曲家の自作自演」というかたちが普通になれば、いろいろな意味で作曲家は自身以外の演奏家や聴き手との関係を再考しないわけにはいかなくなるに違いない(たとえば、「演奏不可能」に近い楽譜を書いて涼しい顔をしていることなど、もはやできなくなる)。

 なるほど、AIは作曲家にとって驚異かもしれない。が、そこには逆にイノヴェイションの好機が潜んでいるかもしれないのだ。