少年時代、ピアノに向かっていたときは、きちんと練習することはほとんどなく、もっぱら興味関心のある曲を好き勝手にかじっていた。とにかく指で音を辿ってゆき、それが済んだら別の曲に移る、というふうに。おかげで多くの作品を身をもって知ることができたし、読譜力(+初見力)はついたが、ピアノの弾き方は身につけ損なった。
今でも懲りずにいろいろな曲に鍵盤上で触れているが、聴くだけでは味わえない楽しみや喜びがあるので、これは一生止められまい。今日もメシアンの〈喜びの精霊の眼差し〉の数小節に「触って」いたが、ごてごてしていながらも透明感のある和音が持つ異様なテンションと官能性に陶然とした。
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