コロナを全くの無傷で乗り切った私だが、昨日、数年ぶりに発熱した(今日検査したら、コロナでもインフルエンザでもなかったので、ただの風邪だったわけだ)。さほど高い熱でもなかったのだが、久しぶりだと身体に応える。もちろん、その間は音楽などお呼びでない。
そこでふと思ったのは、いずれ自分も病を得て亡くなるのだろうが、その直前に優雅に「人生最後の1曲」などを楽しむのは難しかろう、ということだ。ちょっとした発熱程度でこうなのだから、もっと重篤な病だったら推して知るべし。
もっとも、人の死などいつ、どういうかたちで襲ってくるかなどわかったものではない。そこで、音楽についてもいつそうなってもかまわないようにしておけばよかろう。すなわち、常に「今、自分が一番聴きたい(弾きたい、楽譜を読みたい)」音楽に触れるようにすればよい、ということだ。そうすれば、今際の際に「ああ、あれを聴いて(弾いて、読んで)おけばよかった」などと後悔することもなくなろうというもの。……おっと、これではますます演奏会から足が遠のきそうだ。