今日4月1日はフェルッチョ・ブゾーニ(1866-1924)の誕生日。昨年は没後100年だったので、今年は101年目。没後2世紀目の始まりの年だというわけだ(亡くなった日付けを起点をすべきだが、今日誕生日なのでこのことを話題にした)。没後しばらくしてほぼ「忘れられた」作曲家になってしまったブゾーニの評価は1980年代から少しずつ回復し始めていったものの、本格的な受容はこれからだろう。
日本でも『音楽美学の新しい草案』の新訳や『音楽の一元性について』の訳がこれから出されることだろう。が、それだけではなく「バッハ=ブゾーニ版」(とりわけ《平均律クラヴィーア曲集》)の翻訳も望まれる。そこでは「作曲家ブゾーニ」と「演奏家ブゾーニ」の絶妙の結びつきが見られるからだ(ちなみに、《平均律》第1巻ではピアノ演奏技法、そして、第2巻は作曲技法が深く探求されている)。
今日NHK-FMを聴いていると、大バッハのモテット《イエスはわが喜び》が取り上げられていた。これは大好きな曲なのでうれしい。演奏はベルリンRIAS室内合唱団。アンコールは《おぼろ月夜》だったが、「ドイツ語的」日本語歌唱による美しい歌を楽しめた。