2025年4月7日月曜日

ベリオの音楽は楽しい。だが……

  昨日のNHK-FM「現代の音楽」では今年生誕100年のルチアーノ・ベリオが取り上げられていた。彼の作品を聴くのは随分久しぶりのことだったが、どれもこれも実に楽しい。やはりなかなかの才人だと改めて認識した次第。

 もっとも、ベリオの音楽はあくまでも「過去」のものとして楽しめるものであって、同じようなことを現在やられてもしらけるだけである。それゆえ、これが「現代の音楽」という番組で取り上げられることには些か違和感も覚えた。「現代音楽 100年のレガシー」と銘打たれた企画の1コマだとしてもだ。しかも、その作曲家の選択も過去に確立された評価に基づくものであり、それを見直そうとしないのも感心できない。通り一辺倒の曲目解説も相俟って、お世辞にも出来がよいとは言えない番組づくりだ。

もちろん、このような企画が毎月あるというのは、それだけ本当の「現代の音楽」で取り上げるものが多くはないという現状を反映したものなのではあろう。が、それでもいろいろと「悪あがき」のしようはあるのではないか。というわけで、この際、番組の担当を若手の音楽家(作曲家だけではなく演奏家も含む)に「任期付き」(というのも、同じ人が長く続けるのとマンネリになってしまうからだ)で任せてみればどうだろうか。たぶん、今よりもずっとアクチュアルで聴き応えのある番組になることだろう。