今年はなぜか時折、無性にアイヴズが聴きたくなる。先日もフィンランドのピアニスト、ヨーナス・アホネンが弾くソナタ2曲をCDで楽しんだところだ(たとえば、第2ソナタの第1楽章:https://www.youtube.com/watch?v=SS7SMs8XEeQ)。その際、改めて感じたのがアイヴズの音楽の「美しさ」である。昔はその混沌とした響きや自由奔放さに心惹かれたものだが、今の私にとっては何よりもアイヴズの音楽は響きの、そして、それが示す世界、ユートピア(原義は「どこにもない場所」)の「美しさ」のゆえに魅力的なのである。