高橋悠治の名曲《オルフィカ》(1969)の新録音を聴く。これは以前にこのブログで話題にした(が、聴くことの叶わなかった)演奏会のライヴ録音である(私はCDを購ったが、You-Tubeでも聴けることを今日知った:https://www.youtube.com/watch?v=lW0UouPeaY0&list=RDlW0UouPeaY0&start_radio=1)。しかるべき水準の優れた演奏だと思う。
もっとも、それはそれとして、つい自分がなじんだ古い録音と比べてしまう(https://www.youtube.com/watch?v=dtWiio-8jMA&list=RDdtWiio-8jMA&start_radio=1)。すると、やはり両者の違いに驚かないわけにはいかない。もちろん、これはどちらがよいとか悪いとかいった問題ではない。どちらもそれぞれに聴かせる演奏であるからだ。それはやはり「時代」の違いだとしか言いようがない。すなわち、こうした作品が生まれた時代と、そうした時代が過去のもんとなってしまった現在との違いである(なお、私個人の好みではあるが、古い録音の方にいっそうの説得力を感じる)。
その間、およそ半世紀。それだけの時間で演奏がこうも変わってしまう。となると、今日演奏されているクラシック音楽作品の演奏など、作品誕生時とどれほど多くの違いを生み出していることか。とはいえ、だからこそ、すなわち、時代の移り変わりの中でその都度何かしら適したかたちを採ることができるからこそ、往時の作品は生き続けられるのだろう。
この《オルフィカ》を収めたCDには他にも新旧の作品が収められており、どれもそれぞれに面白い。ともあれ、同じメーカーから出ている作品集の第1弾と合わせて、高橋の「前衛音楽」作曲家時代のかなりの作品を聴くことができる。これで自分の少年時代以来の好奇心を満たす――つまり、名のみ知ってはいても実際の音を知らなかった作品を聴く――ことができてうれしい。