2025年12月6日土曜日

兵(つわもの)どもが夢の跡

  川崎弘二『NHKの電子音楽』を読了。とにかくすばらしい本だった。大長編であり図書館の返却期限もあるので今回はざっと目を通すに留まったが、いずれきちんと再読したい(そのためには改めて図書館から借りてこなければならないが……)。

 それはそれとして、同書で描かれた「一九二五年の放送開始から約七十五年にわたって、放送局を舞台に実践されてきた『電子音楽』というメディア・パフォーマンス」(同書、1282頁)の栄枯盛衰の物語を読み終えてすぐに想起されたのが「兵(つわもの)どもが夢の跡」という名句中の文言だ。それとともに、1980年代に「NHKの電子音楽」をリアルタイムで聴き、過去のいろいろな作品にも触れた者として、さまざまな想いが胸に去来する。