2026年8月28日金曜日

メタ文楽?

  一昨日、京都で三谷幸喜・作『人形ぎらい』を妻とともに観てきた。これは普通の演劇ではなく、文楽のフォーマット(すなわち、人形、太夫、三味線)を借りて行われる劇である(それは「三谷文楽」と銘打たれている(https://stage.parco.jp/program/ningyogirai2026。近年文楽に魅せられている者として、これは見逃せないと思い出かけたが、期待をはるかに上回る面白さであった。

 作品の概要については(文面をコピーできないので)上のリンク先をごらんいただきたいが、全編抱腹絶倒で、「よくもまあ、こんな話を考えつくものだなあ」と作者の才にはただただ感嘆するばかり。

 他方、こうした話(「文楽についての文楽(メタ文楽)」だとも言えるもの)をもごく自然にこなす文楽の演者(太夫、三味線、人形遣い)の技にも唸らされる。彼らは伝統芸能の担い手であるだけではなく、文楽というフォーマットによる現代の物語の優れた演者でもあるのだと(先日文楽劇場で観た「まちの灯」に続いて)強く感じさせられた。

 そうした劇とその上演の見事さに加え、「演劇」と「文楽」のすばらしい「コラボ」ぶりにも感銘を受けた。どんなジャンルの芸能であれ、時にはこうした「異業種交流」は有益だろうが、それは「言うは易く行うは難し」である。「いちおうやってみました」といった水準で終わる場合や無謀なものが少なくないのだが、今回の『人形ぎらい』はそうではなかった。この点でも作者と演者を心から讃えたい。