2023年6月9日金曜日

とにかく今は

  以前に話題にした通り、とにかく今はシェーンベルクの音楽が面白く、楽しくて仕方がない。昔はあまりよいとは思えなかった12音技法初期と中期の作品でさえ「実はこんなに面白かったのか!?」と、今更ながらに己の不明を恥じている。これらの時期にもシェーンベルクの「表現主義マインド」は決して衰えておらず、その現れ方が異なるにすぎない――と気づくのにいったいどれだけ時間がかかったことか……。

 昨晩も《管弦楽のための変奏曲》作品31を聴いていたが、そのあまりに美しさにただただ魅了されるばかり。そして、 《組曲》作品29の整った形式の随所で噴出する濃密な表現にも圧倒される。これからの暑い季節、今年はシェーンベルクの音楽で乗り切ることにしよう!

 ところで、YouTubeを物色していたら、何と、シェーンベルクが指揮した《組曲》初演の音源があるではないか(https://www.youtube.com/watch?v=2_MX2dAL7OQ)。いや、これには驚いた。これを聴くと、やはりシェーンベルクがヴィーンの音楽家だということがよくわかる。