ダヴィデ・アンツァーギ(1936-)といえばイタリア現代音楽の巨匠だが、彼の音源をYouTubeで物色していたところ、面白いものを見つけてしまった。それは次のもの:https://www.youtube.com/watch?v=GJVm5yVOFlI)。ここでアコーディオンを超絶技巧で弾きまくる少年の名がDavide Anzaghiだというので、「同姓同名の他人か!?」と思い、調べてみると、何と彼は1950年と1952年にアコーディオンのコンクールで優勝し、数年間欧州で演奏旅行をしていたという(Wikipediaの仏語版)。そのときの「少年」が後年、こんな曲を書くようになるのだから驚きである:https://www.youtube.com/watch?v=ng_4pLQHxpo。
私がアンツァーギの名を知ったのは、例によって金澤(当時は「中村」)攝さんのお宅でのこと(今から30年以上前だ)。攝さんは上にあげた《リトグラフィア》は弾いて聴かせてくれたが、ピアノ以外の作品については当時録音がなく、管弦楽曲《エゴフォニー》などの楽譜をいろいろと見せてくれた。そして、その「譜面(ふづら)」からこの作曲家がタダモノではないことはよくわかった。管弦楽曲などは是非ともそのうち聴いてみたいものだが、果たしてその機会が訪れるかどうか……(上記《エゴフォニー》に限らず、攝さんが見せてくれる楽譜の中にはとてつもない作品がいろいろあったが、なぜかそうしたものに限って録音がないのだった。これは現在でもそうだ。が、ごく稀にニコロ・カスティリオーニの《鏡を通して》のような作品がYouTubeでは聴けるがために、最初に述べたように時折「物色」するわけだ)。