2021年11月27日土曜日

メモ(80)

  西洋音楽の楽譜を読みつつ頭の中で音を鳴らす場合には、それは一種の「演奏」だと言えよう。だが、楽譜はいわば絵画作品のように読むこともできる。すなわち、作品内の時間を前後に自由に行きつ戻りつしつつ、楽譜に書かれていることを分析・総合できる、ということだ。もちろん、そうした「読み方」は実際の演奏や聴き方にフィードバックされうるものだが、それがすべてではない。音楽作品全体を一望の下にとらえるような読み方は、それ自体、演奏からは独立した意味と意義を持ってきたはずだ。とりわけ、音楽についての言及行為の中で。 

  同様に、楽譜を「書き写す」ということについてもいろいろ考えてみるべきことがあるだろう。それは「音楽する」ことの中でどのような意味・意義を持っているのだろうか、と。

-----------------------

  楽譜を「写経」していると、当該作品についていろいろなことがわかる。のみならず、時には「ここはもっとこうすればよいのに」などと不埒にも思ってしまうこともある。 とにかく、楽譜を書き写すことは私にとっては実に楽しい「音楽すること」の1つだ。