2021年11月23日火曜日

初演の迫力

 野田暉行(1940-)の交響曲第1番の初演の録音をインターネットで聴いた(https://www.eworldjapan-office.com/streaming-link-web)。演奏の精度は後年になされた録音での演奏の方が高いのかもしれないが、この初演には1つの作品がまさに生まれている現場の迫力があり、それがもたらす感動がある。

こうしたことはこの交響曲に限らず、多くの音楽作品について言えることだろう。そして、初演ではそれなりに感動的だった作品がかなり時を経て演奏されたとき、少なからぬ作品が色褪せてしまっていることも。つまるところ、そうした褪色が起こらず、別の時代にもその時代なりの鮮度を保ちうるのが「名作」というものなのであろうか。

上記の交響曲を現在ならではのよい、生き生きとした実演で聴いてみたいものだ。CDの解説で作曲者が述べているこの曲の完成日が、奇しくも私が生まれたのと全く同じ年月日なので、なおのことそう思う。


 今年は「人間」というものについて認識を新たにさせられることがいろいろあった。肉親を含む、対人関係を通してである。中にはかなりショックなこともあったが、今後の糧としたい。生きている限りは少しでも過去の自分よりもよ(良、善)くありたいと思うから。