森本恭正『西洋音楽論――クラシックに狂気を聴け』(光文社新書、2011年)は西洋音楽の「西洋」たるゆえんを日本その他の非西洋の音楽や文化と比べもしつつ論じた名著である(私が「西洋音楽の日本化」という問題を考える上でもいろいろと参考になっている)。
同書の著者は作曲家なのだが、今日、ふと気になって、どんな曲を書いているのかYouTubeで探してみた(本来ならば同書を読んですぐにそうするべきだったのだが……)。すると、次のようなものが見つかった:https://www.youtube.com/watch?v=PYyvM0GAD4U&list=OLAK5uy_ny-8yXfJAbPxV_f2tYZEWD7qeuSdtR63o。本の読後感から、この人の作風はたぶん、バリバリの「現代音楽」とは異なるものだろうなあと想像していたが、果たしてその通りであった。そして、今聴いてみても十分楽しめる音楽である。
なお、ついでにこの森本氏が今何をしているのかも気になってインターネットで調べたところ、何とタイムリーにも、2月前にアルテス・パブリッシングから新刊が出たばかりではないか。森本恭正×南博『音楽の黙示録――クラシックとジャズの対話』がそれだ:こ:https://artespublishing.com/shop/books/86559-238-2/。これは是非とも読まねば! きっと今回も私の「頭にガツンと一撃」をくらわせてくれるに違いない。