今年生誕150年のシェーンベルクだが、CDの新譜はふるわない。出るとしても古い録音の再発売が多い。果たしてこれは不景気のなせるわざなのか、それとも、彼の音楽が結局は一般に受け入れられなかったということなのか、どちらなのだろう(その両方かも……)?
その再発売の中にはブゥレーズがコロンビアに録音したものをまとめたものがあるが、これは以前に出た同レィベルのボックスにすべて収められているので私には不要である(お世辞にも面白いとはいえない演奏だが、勉強にはなる)。他方、やはりコロンビア録音のジュリアード四重奏団による新旧の弦楽四重奏曲全曲録音には大いに興味がある。すでに聴いたことのある旧録音はまことに尖った演奏であり、これはこれで時代のドキュメントとして面白いのだが、これがおよそ四半世紀後の録音では演奏がどう変わっているのかだろうか。興味津々である。
それにしても、今、シェーンベルクの音楽が気になるというのは、やはりこんな世の中だからであろうか。