2023年4月13日木曜日

日本語とメロディー

  坂本龍一が日本語とメロディーの関係について語っている興味深い記事があった(https://news.yahoo.co.jp/articles/2c41fc2a25166bee54090d384b9604d267092408?page=1)。そして、その中でこう言う。

 

 日本語はロックとかそういう音楽が輸入されたものだから。欧米の言葉によって発明された音楽が輸入されて、その上に無理やり言葉をのせてるから難しいんですよ。日本語の自然の姿は浄瑠璃とかなんですよ(上記リンク先の2ページめ)。

 

まことにごもっともな指摘である。ことは「日本歌曲」でも同じである。のみならず、そこでは「ベル・カント」という障害があるので、いっそう事態は深刻だ。

 もちろん、それまでにもそうした問題に真摯に向き合っていた作曲家はおり、種々の試みがなされてきた。そして、坂本の師、松本民之助もその一人であり、独自の境地を切り開いた人であった。その試みによって問題がすべて解決されたわけではないにしても、今日でも日本語に節づけをする上で示唆に富むものだと私は思う。