ヴァンサン・ダンディ(1851-1931)は高名な割にはその「人」についても「作品」についてもさほど知られていない作曲家であろう。かく言う私もあまり知らなかった。が、興味はあった(演奏時間40分を超えるピアノ・ソナタは是非、実演で聴いてみたいと思っている)。それゆえ、今年、そのダンディの評伝(https://www.shunjusha.co.jp/book/9784393932254.html)が出たのはうれしい。大学図書館で見つけたので借りて読んでみたが、読み応えのある本であり(創作の全体像をもう少し鮮明に論じてくれていれば、なおありがたかったが、良書であることに変わりはない)、いろいろなことが学べた。そして、彼の作品をもっと聴いてみたくなった。いまひとつよくわからなかった第2交響曲も、今ならば違って聞こえるかもしれない。
ダンディのピアノ・ソナタ(https://www.youtube.com/results?search_query=d%27indy+piano+sonata)とデュカスのソナタを1つの演奏会で取り上げてくれる剛毅なピアニストがいないだろうか……。