ジャン・バラケ(1928-73)のピアノ・ソナタ(1950-52)にはブゥレーズの第2ソナタ(1948)の影響がうかがえるが、私にはバラケのソナタの方が格段に面白い。先日、久しぶりにイヴォンヌ・ロリオの録音(https://www.youtube.com/watch?v=bdSHGkhprUI)
で聴いたのだが、たちまち引き込まれてしまった。彼女はブゥレーズの第2も録音しているが、それよりもこのバラケの演奏の方がずっと魅力的に聞こえる。彼女にとってもこちらのソナタの方がしっくりきたのであろうか?
'Boys be ambitious! 'とは有名な文言だが、「少年よ大志をいだけ」という訳は些かきれいごとすぎるということもそれなりに知られていよう。すなわち、ambitiousという語は「野心的な」という訳の方がしっくりくる語だということである。
とはいえ、最近までその語源についてまでは知らなかった。この形容詞の元となる名詞ambitionはラテン語のambitioに由来し、その意味は「(票を求めて)歩き回る」ことだという(『ジーニアス英和大辞典』)。なるほど、これはつい先日まで巷で繰り広げられていたことである。彼ら選挙の候補者たちはまさにambitiousだったわけだ。
とはいえ、選挙の投票率はまことに低い。つまり、投票に行くと決めていた人たち以外には彼らのambitionはほとんど何の効果も持たなかったことになる(その方が大方の候補者にとっては都合がよいのかもしれないが……)。だとすると、それははたんなる迷惑な騒音にすぎないことになろう。