2023年4月15日土曜日

ヴァッティモのLa società trasparente

  ジャンニ・ヴァッティモのLa società trasparente邦訳(『透明なる社会』、多賀健太郎・訳、平凡社、2012年)は2000年に出た原著第3版に基づいてなされており、「脱現実化の限界」という新章が追加されている。訳文はありがたいことにそれなりに読みやすい文章なのだが、原典で確かめたくなる箇所もあれこれないではない。1989年初版のコピー(戸澤義夫先生のハードな集中演習で用いられたもの)は持ってはいたものの、邦訳で「他の章でもおそらく多少の加筆修正がなされたものと推測される」と「訳者あとがき」で述べられてはいたので、両者の異同も気になっていた。そこで第3版を入手してざっと見比べてみたが、「加筆修正」はなされていなかったようだ。ともあれ、改めてこの名著をゆっくり読み直してみたいところだ……が、今はその時間がない。というわけで、いずれまた。