2023年4月2日日曜日

耳のチャンネル

   先週NHK-FM『夜のプレイリスト』(再放送)で案内役を務めていたのが元ちとせだった。この名を耳にしたのも随分久しぶりだし、まして彼女の歌など20年以上聴いたことがない。が、これも何かのご縁と思い、You-Tubeでいくつか聴いてみると、これが理屈抜きに心を揺さぶるのだ(たとえば:https://www.youtube.com/watch?v=-zNw3W70AbE)。いや、すごい歌、声である。生で聴いたらもっといいだろうなあ……とは思うものの、残念ながら私の耳はライヴの「爆音」には絶えられないので、録音を聴くしかない。

 そのようにYou-Tubeを観ていると、ついついリンクしている別の音楽も聴きたくなってしまう。今回たまたま目に付いたのは次のものだ:https://www.youtube.com/watch?v=G1V9Ot9JkZM。私はこの曲が大好きなのだが、発表当時の演奏ではなく、後年のものであるところがまた面白い。

 ところで、自分が日頃親しんでいる西洋芸術音楽で歌を聴く場合、どうしても歌詞が外国語によるものが多くならざるをえない。が、このところジャンルこそ違え日本の歌をいろいろと聴いていると、どうもこちらの方が心安らぐような気がする。だからといって、シューベルトやフォレらの歌曲などを好む気持ちに変わりはない。ただ、どうやらそうしたものを聴く場合と日本の歌を楽しむ場合では、自分の「耳のチャンネル」が切り替わっているようだ。

 

  坂本龍一が亡くなったとのこと。それを知る前の今日の午前中、なぜか急に彼のピアノ曲《僕自身のために》(https://www.youtube.com/watch?v=MGzgFDjjpPQのことが思い起こされ、「手持ちの楽譜を見てみなければ」と思っていだのだが……。ともあれ、ご冥福をお祈りしたい。