2023年4月8日土曜日

なぜか今日一日頭の中で鳴り響いている音楽

  坂本龍一はアカデミックな技術をきっちりと身につけた上でポピュラー音楽の世界で大活躍した人だが、同様な音楽家として真っ先に思い浮かぶのが近年長逝したミシェル・ルグラン(1932-2018)である。このところ彼の自伝を再読しているのだが、その仕事ぶりには圧倒されるばかり。まことに興味深い人である。

 そのルグランに比べれば格は落ちるかもしれないが、ある時期の日本人にとってなじみ深かったのがポール・モーリア(1925-2006)だ。そして、今日、なぜか彼の楽団による次のナンバー(作曲は別人の手になるものだが、ここで肝心なのはアレンジである)がずっと頭の中で鳴り響いている:https://www.youtube.com/watch?v=H-8U3hvpijM。今の若者たちは彼の名、音楽をどの程度知っているだろうか。もし、あまり知らないのならば、それを聴いてどんな反応を示すだろうか。

 

 そういえば今日は花祭り、すなわち、釈迦の誕生日として祝われる日である(この日付けは国によっていろいろ異なるらしいが)。本来、日本人にとっては仏教の方がキリスト教に比べて身近なはずだが、今となってはクリスマスに比べてこの花祭りは格段にマイナーな存在である。こうしたところにも日本の異文化受容の1つの型を見ることができるし、それは西洋音楽の受容とも無縁ではなかっただろう。