2021年12月10日金曜日

ヴィーン風《ラウンド・ミッドナイト》

  セロニアス・モンクの名曲《ラウンド・ミッドナイト》をフリードリヒ・グルダが弾くとこうなるのか……:https://www.youtube.com/watch?v=DSEay9fOxAE。これを聴くと、彼の「地」たるクラシック音楽の素養を強く感じさせられる。いや、それが悪いというのではない。とても素敵なプレイだと思う。

 他方、そのグルダが弾くモーツァルトやベートーヴェンには逆にジャズの「ノリ」が入り込んでいるようだ。もしかしたらそれを嫌うクラシック音楽愛好家もいるかもしれない(し、それも道理だと思う)が、私はそうしたハイブリッド性を面白く感じている。

 そんなグルダの動画をさらに2つ。1つは1969年のもので、まさに「懐かしの」と形容すべきものだ:https://www.youtube.com/watch?v=H6KBqbVLLkg。この12年前にベートーヴェンのピアノ・ソナタ全集を彼は録音しているのだが、その演奏とこの動画のパフォーマンスは見事に繋がっている。

 もう1つはハービー・ハンコック、ジョー・ザヴィヌルとのコンサート:https://www.youtube.com/watch?v=Ozck4lFh0fE。三者三様、三つどもえのさまが何とも刺激的であり、楽しい。

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  今目を通しているジャズ・ピアノの教本にはクラシック音楽の理論に馴染む者からすれば目から鱗が落ちるような箇所がいろいろとある。が、反面、もっと記述をわかりやすく整理整頓できるとも思う。もっとも、そうしてしまうとジャズ畑の人には却ってわかちにくくなるのかもしれない。ともあれ、私がいずれ試みたい「整理整頓」はクラシック畑の人を想定してのもので、あくまでも実用本位のものであり(そのためにはあと数年は勉強しなければなるまい)、すべてを統一して理論的に整合性を持たせることになど微塵も興味はない。