言葉が生き物だということは重々承知しているつもりだが、時折、驚くような表現に出会う。中にはなんとなく意味がわかるものもあれば、全く「?」なのものある。そして、今日たまたまネットの記事で見たのは後者である。その見出しには「焼酎しか勝たん」とあり、果たしてどんな意味だろうかと思い当該記事を読んでみた(https://news.yahoo.co.jp/byline/domanayaka/20211225-00274191)。が、その見出しの表現が記事の中では用いられておらず、どうにも困ってしまった(ちなみに、記事自体は面白いものだった)。
そこでこの見出しで検索してみたところ、「○○しか勝たん」という表現があることを知った:https://numan.tokyo/words/vv0pO。なるほど、そういうことであったか……。それが「若者言葉」だとすれば老年間近の私が知らないのも当然といえば当然だが、些か寂しい思いがしないでもない。ともあれ、また1つ新しい表現を知った(私がそれを自分の文章で使うことはまずないだろうが、人の文章で出会ったときに戸惑わずに済むようにはなった)わけで、言葉というのは面白いものだと改めて思った次第。
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それにしても、普通のネットの記事で「焼酎しか勝たん」という表現を用いることには賛否両論あろう。というのも、この表現が誰にでもすぐにわかるものだとは思えないからだ(現に私にはわからなかった)。そこで一方には「そんな一部にしか通じない表現など見出しには使うものではない」という否定的意見があろうし、他方には「むしろ、少なからぬ人にとって『?』だからこそ目を惹き、記事の本文を読んでみたい気にさせられるし、敢えてそうした表現を用いてみせることには何らかの主張があるはずだ」という肯定的意見もあろう(現に私は「?」を解消したくて記事を読んだ)。
今年はマヌエル・デ・ファリャの没後75年にあたる。彼は寡作家だったので、70年の生涯に書かれた主要作品を集めてもCD10枚にも満たない。が、その多くはない作品はどれも皆すばらしく、しかも、些かも古びた感じがしない。何か時代を超越したものがそこにはあるようだ。