そのナディアの妹のリリ・ブゥランジェ(1893-1918)は作曲家だった。今日、久しぶりにその作品をいくつか聴いてみたが、その深みと凄みには圧倒されるばかり。つくづく夭折が惜しまれる。たとえば、次の曲などどうだろう:https://www.youtube.com/watch?v=eLxrA8cG2ZI
これは最後の作品《ピエ・イェズ》で、作曲者にはこれを書き上げる力がなく、姉に口述筆記させたものだという。このようなものを書く人がせめて後10年でも長生きしていれば、果たしてどんな作品を書いたことだろう?
ちなみに、今日私が聴いていたCDはこの曲を含むリリの作品3つと、フォレの《レクイエム》をナディア・ブゥランジェが1968年にBBC交響楽団と合唱団を指揮した録音だ(彼女はフォレの弟子である)。いずれも素晴らしい演奏で、とりわけ《レクイエム》についてはこれ以上の演奏を私は知らない(とりわけゾクゾクするのが〈リベラ・メ〉で最初の旋律がユニゾンで回帰する場面だ)。まさに「文化遺産」とでも言うべき録音であろう。
念のためyou tubeを探してみたら、上記の録音があったので、あげておこう:https://www.youtube.com/watch?v=17SFoAsX-UU