いや、これは実に面白い:https://www.youtube.com/watch?v=ilh75ifVBB8。アントン・ヴェーバーンの《ピアノのための変奏曲》作品27をギター用に編曲したものだ(楽譜はウニヴェアザール社から出版されている)。この楽器は音色の面ではピアノよりも多彩かつ繊細な表現力を持っており、点描的なテクスチュアを奏でるのにも適しているので、むしろこちらの方が原曲よりも好ましく感じられるほどだ。
ロバート・クラフト監修の『ヴェーバーン全集』を聴いてみたが、やはりクラフトの指揮はつまらない。なんだか楽譜をただ音にしただけのような感じなのだ。が、それでもこの『全集』の復活は喜ばしい。1つには作曲者が活動していたときからそれほど遠くない(つまり、まだまだヴェーバーンの作品が「新しかった」)時点での貴重なドキュメントであるからだ。そして、もう1つには、ピアノを一手に引き受けているのがシェーンベルクの弟子のレナード・スタインであり、こちらの演奏はそれなりに聴かせるものだからだ。
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ヴェーバーンの《変奏曲》がギターでできるのならば、シェーンベルクの《6つの小品》作品19もいけるに違いない……と思って念のためにYouTubeを検索したら、やはりあった:https://www.youtube.com/watch?v=oRrkkGdIMFE。