昨晩は今年になって初めてFMのオーディオ・ドラマを聴いた(https://www.nhk.or.jp/audio/html_fm/fm2021003.html。すでに3週めなのだが、仕事で忙しかったり、疲れていたりでそれまでお休みしていたのである)。やはり面白い。よくできたオーディオ・ドラマは「聴き手の想像力」をうまく利用しており、映像作品とは異なる魅力がある。それこそ「映像化不可能」だと言われる小説の中にはオーディオ・ドラマにならばできる、というものもあろう。
ところで、「現代音楽」華やかなりし1950~60年代には実験的なオーディオ・ドラマがいろいろ制作されていた。たとえば、寺山修司が脚本を書いたものなどは、今聴いても十分に面白い(いくつかはCD化されていたが、いつの間にか廃盤に)。そうしたドラマの元の録音はどのくらい保存されているのだろうか? 録音テープはどんどん劣化してしまうので、まだ間に合うならばもっと保存の利くメディアに移し替え、かつ、普通の聴き手が利用できるようなかたちに放送曲が(少なくとも「みなさまのNHK」は)してくれるとありがたい。これは東京芸術大学のような研究機関が手がけてもよい(べき?)研究プロジェクトでもあろう。
もちろん、「温故知新」のみならず、昔にはなかった技術を駆使して実験的で面白いオーディオ・ドラマを放送曲(NHK)には制作して欲しいとも思う。私のようなロートルだけではなく、むしろ若い世代の聴き手にも訴えかけるようなものを。