2021年1月4日月曜日

「亡き作曲家に仮に会えるとすれば……」

  ベルリン・フィルの首席指揮者、キリル・ペトレンコがあるインタヴューの中で「亡き作曲家に仮に会えるとすれば、誰に会いたいか?」と問われ、「たとえばベートーヴェン、マーラーやチャイコフスキーではなく、B. A. ツィマーマンだ」と答えたという(ツィマーマンの文集『音程と時間』新版(Schott, 2020)の「前書き」による)。まあ、人と違ったことを言いたかったという動機が皆無だとは思わないが、それでもそこでツィマーマンの名が出てくるところが面白い。というわけで、これまで全く興味がなかったこの指揮者の演奏を(もちろん、実演を聴くことは叶わないので録音で)聴いてみたいと思った。