三が日には仕事はしないことにしているが、種々の勉強や練習は別である。というわけで、元旦のお雑煮とお屠蘇の後にあれこれこなし、その合間に音楽を聴いた。
今年最初に聴いた曲はサン=サーンスがちょうど100年前に書いた3つの木管ソナタだ。その年、86歳で亡くなった巨匠のいわば「白鳥の歌」と言うべき作品群である。そして、それに続いては、やはり同じ年に書かれたヒンデミットの〈室内音楽第1番〉、すなわち、まだ20代の若き「前衛」の作品を。
私に取っては様式の新旧はもはや問題ではなく、両者を続けて聴いても何の違和感もなく楽しむことができる(これを「歴史の脈絡に対するセンスの欠如」だと思う人もいるかもしれないが、それを否定するつもりも反論するつもりもない)。そして、そうした作品を残してくれた作曲家に感謝する次第。
さて、今から100年後、今年書かれた作品がそんなふうに聴かれているものかどうか……。そうした作品に1つでも同時代人として出会えればいいなあと思う。