2021年4月23日金曜日

レーガーのピアノ曲を楽しむ

   マックス・レーガー(1873-1916)のピアノ曲を聴き直しているが、実に面白い。彼の音楽はあらゆる意味で「過剰」だが、それが不思議な説得力を持っており、いわば板についているのだ。たとえば、最初のピアノ独奏曲《7つのワルツ》作品111893)を聴くと、そのことがおわかりいただけよう(https://www.youtube.com/watch?v=JnnEzKYIQdg)。かわいらしいワルツがここまでごてごてしたものになってしまっていることにぎょっとさせられつつも、同時にそこに必然性のようなものと造形の美を認めないわけにはいかない(こうしたレーガーの音楽のありように、何かしらユーゲント・シュティールとの類似点を私は感じる)。

 レーガーは短命だったが、もし、彼がもう少しだけ長生きして、いわゆる「新古典主義」の風潮に触れたら、果たしてどのような反応を示しただろう? その中でも「過剰」な音使いを貫いただろうか、それとも、彼なりの簡素さを示しただろうか?