2021年3月22日月曜日

ちょっとした悪戯

ヴェーバーンの《ピアノための変奏曲》作品27で少しばかり悪戯をしてみた。音符に付けられた#や♭の変位記号をすべて取り払い、白鍵だけの音でゆっくりと静かに(だが、時折、不規則に強い音を混ぜて)弾いてみたのである。すると、それはまるでジョン・ケージの偶然性以前の作品のように響くではないか。ケージはヴェーバーンの音楽から「沈黙」のありようを学んだというが、それ以外にも両者の接点はあるような気がした。