2024年7月26日金曜日

渡辺裕先生の新著

  今日、自宅の郵便受けを覗いてみると、なにやら書籍らしきものが。そこで手を伸ばして取りだしてみると、渡辺裕先生の新著だった。私のような末端の不肖の弟子にまでお送りいただき、まことにありがたいことである。

さて、その新著だが、『校歌斉唱!―日本人が育んだ学校文化の謎』(新潮選書)というものである(https://www.shinchosha.co.jp/book/603913/)。例によって先生ならではの題材であり、これまでの著書同様、それが見事に料理されているに違いない。というわけで、これから読むのが楽しみだ。

渡辺先生の最初の著書は『聴衆の誕生』(春秋社、1989年)であり、それと比べればこの『校歌斉唱!』(のみならず、これ以前のある時期以降の著作)は随分かけ離れたことを扱っているように見える。だが、実のところ、扱う対象の範囲こそ広がってはいるものの、先生の思考と指向には見事な一貫性があるように私には思われる。その「渡辺ワールド」は新たな著作によってこれからも広がりと深まりを見せてくれることになるだろう。

ちなみに、渡辺先生は音楽を「外」(つまり、それを取り巻くコンテクスト)から読み解く人であるのに対し、私はむしろ「内」から「味わう」人である。にもかかわらず(いや、むしろ「だからこそ」というべきか)、先生のお仕事からは多くの刺激を受けている。