来年はストラヴィンスキーの没後50年。もうそんなに経つのかというのが正直なところだ。私の少年時代、ストラヴィンスキーといえばそう遠くない過去の人だったが、さすがに没後半世紀ともなると、「そう遠くない」とは言ってもいられない。
が、それでは彼の作品がそれほど広く受け入れられるようになったかといえば、そうでもないようだ。なるほど、「三大バレエ」音楽はますます盛んに演奏されるようになっており、今や《春の祭典》(そろそろこの不適切訳ともおさらばすべきであろう。まだ間に合うはずだ)の「4手ピアノ版」は通常レパートリーである(これは昔にはそう簡単には聴けなかった)。また、他の種々の作品もそれなりに演奏されてはいる。とはいえ、第2次大戦後の重要な作品はまだまだそれほどメジャーになったとはいえない。三大バレエや《プルチネッラ》を好む聴き手のうち、どれほどが《アゴン》を聴いているだろうか?(聴く/聴かないは個人の好みの問題であり、それについてどうこう言うつもりはない。が、第2次大戦後の作品を知っていることで初期、中期の作品の見方、聴き方も少なからず変わって(面白く)なる可能性がある、とは言っておきたい)。
さて、これから「さほど知られ(好まれ)ざる」ストラヴィンスキーの音楽がもっと演奏され、聴かれるようになるだろうか? それとも、そうはならないだろうか? これはちょっとした見ものである。演奏さえよければ、ある種の作品は(たとえばシェーンベルクなどにくらべれば)人気が出る可能性があると私は予想するが、どうだろうか。
ちなみに、来年はプロコフィエフの生誕130年でもある。これをきっかけに、以前から気になっていたロシア語を勉強することにしよう。