2020年12月23日水曜日

時折、アイヴズの音楽が無性に聴きたくなる

  時折、チャールズ・アイヴズ(1874-1954)の音楽が無性に聴きたくなる。というわけで、今日は交響曲のCDを楽しんだ(マイケル=ティルスン・トーマス指揮のもの)。

私の少年時代にはアイヴズ作品の音源はごく少なく、入手できた数少ないLP(国内盤のカタログには小澤指揮の第4交響曲があげられていたのに、なぜかこれは注文しても物が来ず、そのうち、カタログからも姿を消した。当時この曲を聴けたのは輸入盤でストコフスキ指揮の録音によってだ)、そして、放送でエアチェックしたものを繰り返し聴いたものだ。が、今やかなりのディスクがあり、あれこれ選ぶことができる(が、それだけディスクのありがたみが減ったとも言えよう)。

 アイヴズを聴いていると、得も言われぬ開放感を覚える。作曲当時の音楽の「しきたり」や「常識」に囚われるに「やりたい放題」を作品で行っているからだ。が、もちろん、そこには作曲者なりの理念、ひいては「規範」意識のようなものも感じ取られる。音楽のテクスチュアはしばしば混沌状態を呈するのに、音楽には「高潔さ」があり、およそ異なる時代と場に生きる私のようなものにも何かを強く訴えかけてくるのだ(次の動画は私が今日聴いたものとは異なるが、スコアの風景を眺めることができる:https://www.youtube.com/watch?v=cCFiwmIi9Gw)。