2020年12月28日月曜日

アイヴズ熱、収まらず

  先日、交響曲をまとめて聴いたことで「アイヴズ熱」が高まってしまった。そこで他の作品もあれこれ楽しんでいる。今日はヴァイオリン・ソナタを聴いていたが、何よりも響きの美しさに胸を打たれた(今日聴いていたものとは異なるが……:https://www.youtube.com/watch?v=wH7gxE6Zj1E)。アイヴズの音楽といえばリズムとテクスチュアが複雑で不協和音に満ちていると思われがちで、なるほど確かにそうした面もあるのだが、音楽の少なからぬ部分は清澄な美に満ちている。ということはつまり、アイヴズは自分が書いた音をきちん聴いていたということであり、たんなる思いつきや実験であの複雑な音を書いたのではない、ということだ。

 ヴァイオリン・ソナタも今や数種類のディスクが容易に手に入り(もちろん、you tubeでも聴ける)、まことにありがたいことだと思う。が、これはやはり実演で聴いてみたい。有名曲を組み合わせて、演目に企画性を持たせれば、十分に普通の聴き手にも喜ばれる演奏会になるはずなので(「ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会」とか「モーツァルトの[……]」とかいった貧困な企画にうんざりした聴き手は少なくなかろう)、近場で誰かやってくれないかなあ。