たまたま動画で首都圏の音楽大学10校の学費ランキングなるものを目にしたが、その金額には驚いた。いや、すごいものだ。1校は国立の東京芸大なのでそれを除くとして、私学の中で一番安いところで4年間に約525万円、一番高いところで約862万円(平均で約780万円)だという。まあ、それでもそこで学びたいという人が少なからずおり、それだけの学費(と、少なからぬ「+α」の公式、非公式の諸費用)を払える親がいるからこそ、それらの学校が存続しているわけであり、そのこと自体についてどうこう言うつもりはない。ただただ素直に驚くばかりだ。もっとも、この現状がいつまで「もつ」だろうか。
音楽大学(と音楽学部)が日本の西洋音楽受容と実践の中で果たしてきた、そして今も果たしている(正と負の両面での)実績と役割についての分析と反省は音楽(社会、教育)学の格好の研究主題だと思うが、これに正面から取り組んだ研究はあるのだろうか? そうしたものはたぶん、そう遠からぬ将来に大きな変革を迫られる(いや、すでにその渦中にある)大学にとっても有用なものとなるはずだが。