2021年6月15日火曜日

『ミニマ・エステティカ』

  その後、「音楽する人のための音楽美学」の構想(妄想?)は膨らみ続けている。というわけで、『音楽の語り方』の計画は破棄し、この「美学」の中に吸収することに決めた。

 その膨らみ続ける構想の中で、しかしながら、論点は逆に大いに絞られつつある。すなわち、「音楽美学」として従来論じられてきた問題のかなりの部分を切り捨てることになっているのだ。が、それにはしかるべき理由があり、そのこと(言い換えれば、その書のコンセプト)は序論できちんと説明するつもりだ。

題して『ミニマ・エステティカ(最小の美学)――音楽する人のための音楽美学――』。早急に構想をまとめ、執筆にかかりたい(もちろん、まだ具体的な出版の当てはないが……)。研究者ではなく(大学の講義での使用を想定することはやめにして)普通の人に読んでもらいたいので、註は出典註だけにとどめ(しかも、年次方式にし、いちいち註と本文の後を行き来せずにすむようにする)、これまでの拙著に増して平易な文体で書くつもりだ。