2021年7月16日金曜日

メモ(66)

  私の少年時代には当然、ワープロなどなかったので、文章は手書きだった。が、91年、1つめの修士の学生だったときにワープロを使い始め、今となってはもう文章を手書きすることなど考えられない(何かを思いついたときに慌てて取るメモは手書きだが)。ワープロという道具が思考の過程に組み込まれてしまったのである。

 では、同じようなことが楽譜書きソフトでも起こりうるのだろうか? 私はそこまでその種のソフトを使いこなしていないし、そもそも「書く」楽譜の量が文章に比べれば天と地ほどに違うので、よくわからない。この点については、楽譜ソフトをペンのように使いこなしている作曲家に尋ねてみたいところだ――「手で書いていた頃と何かが変わりましたか?」と。

 

 今日はアルフレード・カゼッラの《管弦楽のための協奏曲》作品61 を聴く。夏向きの爽快な音楽である。「管弦楽のための協奏曲」といえば、バルトークのものばかりが演奏されている(近年はルトスワフスキのものもなかなか人気があるようだ)が、このカゼッラその他の名曲がいろいろあるのだから、そちらも演奏会で聴けるとうれしい。