必要があってフレデリック・ジェフスキのことを調べたところ、先月に亡くなっていたことを知った。1938年4月生まれだから83歳だったわけだ。この偉大な音楽家に哀悼の意を表したい。
ジェフスキの《不屈の民変奏曲》や《北米のバラード集》は今やピアニストの普通のレパートリーとなっているが、それ以外の作品はそれほどメジャーとは言いがたい。幸い本人の見事な演奏が少なからず録音されているし、作品の楽譜もかなりのものが公開されてもいる(コピーレレフト思想の実践!:http://icking-music-archive.org/ByComposer1/Rzewski.php)。この先人が遺したものからは多くのことが学べよう。
ヴァイオリニストのピンカス・ズーカーマンが公開レッスンの場で「韓国人は歌わない。それは彼らのDNAにない……日本人も歌わないのは同じこと」と生徒に言ったとか。何かの拍子に本音が口をついて出たわけか……: https://news.yahoo.co.jp/articles/3f699bca3c9327ed4975782ae66500738869c890。この人の同胞は人種差別でさんざんな目にあったはずなのに……。こんな発言を「一流」とされる演奏家の口から聞かされるとはがっかりだ(幸い私はこの人のCDを持っていないので、新たにゴミを出さずに済んだ)。
ただ、もちろん「DNA」云々は論外だが、人が生まれ育った言語環境や文化的環境の違いが音楽表現の違いをもたらすということは十分ありうることであり、それについては冷静に検証されてしかるべきだろう。