今はどうか知らないが、少なくとも自分は高校までの学校教育で文章の書き方を習った記憶が全くない。書式、構成、用字法に至るまで、すべて自分が読んだ文章をお手本に見よう見まねで覚えた(現在も学生の文章を見る限りでは。たぶん、さほど教育の中身は変わっていないのだろう)。なぜ、学校ではこんな大切なことをきちんと教えないのだろう?
そういえば、学校の音楽の時間でも、本当の意味での「歌い方」を教わった記憶がない。まだ未解決の日本語の歌唱法の問題はともかく、きちんとした声の出し方や「歌=旋律」のつくり方など基本中の基本をきちんと授業中に教えられていないのだ。そして、これは歌に限らず、他の面でも同様だ。まあ、そうした「基礎」を徹底させるには音楽科の内容は盛りだくさんすぎるということはあろう。そこで、小学校はともかく、中学校では音楽科は選択制にして、学ぶ意欲を持つ者に丁寧に厳選した内容を教えるかたちにした方がよいのではないか(と、近年の私は考えている。以前は「中学校でも音楽科は必修であるべきだ」と考えていたが、今は違う。また、小学校の音楽科も専科の教員が教えるかたちにすべきだと思う)。