2020年8月7日金曜日

こんな録音があったとは……

  こんな録音があったとは……:https://www.youtube.com/watch?v=0tcD1wC1hC8。これは貴重なドキュメントである(この曲は後年、ヴァイオリニストのポール・ズコフスキーの指揮で録音されてはいたが)。アルトゥア・シュナーベル(1882-1951)は偉大な「ベートーヴェン弾き」だとされているが、この交響曲を聴けば、彼がそれなりの作曲家だったことがわかるはずだ(この曲のスタイルを好まない人も少なからずいようが、それでも彼がただのピアニストでないことはおわかりいただけよう)。そして、そうした「作曲」が彼の演奏を支えていたであろうことも。シュナーベルにとって、ベートーヴェンはたんなる「解釈」の対象ではなく、追創造の場でもあったに違いなく、そこが彼のパフォーマンスの魅力の1つだろう(現代ならば、ミカエル・レヴィナス(1949-)や野平一郎(1953-)のベートーヴェンがまさにそうだ)。